事例:食肉専門商社での不適切取引(循環取引)
📍企業概要
東京都に本社を置く食肉卸売と加工食品販売を主力とする商社。世界的に有名な大手ハンバーガーチェーンのパティ供給も担っている。
🕵️♂️発覚した不正内容
一営業所で架空の在庫や売上を計上する「循環取引」が行われていた。損益影響額は約5億円。幹部は関与していなかったが、企業の社会的責任が問われる事態となった。
🔄循環取引とは?
複数企業間で転売を繰り返し、実際には商品が動いていないにもかかわらず帳簿上で売上を水増しする取引。最終的に元の売主が買主になる構造で、架空の利益を計上し、金融機関や取引先への信用を維持する目的がある。
⚠️漏洩の背景と原因
- 滞留在庫(売れ残り)を隠すための取引が発端
- 本社への報告を避けるため、取引先に内密で買い取らせる行為が継続
- その延長で循環取引が常態化
🧩コンプライアンスの問題点
- コンプライアンス室は設置されていたが、人員はわずか4名
- 2018年以降、研修が未実施
- 社員の違法行為への意識が低下し、営業秘密や取引情報の管理が甘くなっていた
🔐営業秘密として漏洩の可能性がある情報
- 取引先との価格交渉履歴
- 在庫管理データ
- 販売ルートやマージン構成
- 顧客との契約条件
- 社内の会計処理ルール