食肉卸会社向け販売管理システムの仕入税額控除の経過措置について

食肉卸向け販売管理システムでは取引先のほとんどが商社など適格請求書発行事業者ですので新たに仕入税額控除の経過措置のためのシステム変更をすることはありません。牛肉を扱うにはそれなりの与信が必要ですので免税事業者との取引は皆無と言えると思います。この販売管理システムは商売に基づいて計上するので納税処理のために元帳を変更するシステム更新は今の所予定はありません、これらの処理は経理システム(勘定系)にて対応します。

【負担軽減措置】
税負担を軽減できる2割特例
帳簿のみの保存で仕入税額控除ができる少額特例
返還インボイスの交付免除
適格請求書発行事業者の登録申請期間の延長

悩ましいのは経費関係でインボイス制度適用後に自社が免税事業者と取引する場合は負担増となるので免税事業者と取引を続けるのか、取引を見直すのかといった選択が必要になってくることです。経費関係では小規模な取引先が多く飲食店など多岐にわたります。各社経理担当者はフローを作成して準備におわれています。税の変更については特例、経過措置、例外などシステム業界は振り回されてシステム更新に予算投入できない会社は取り残されます、なんとかわかりやすい仕組みにして欲しいものです。

インボイス制度、電子帳票保存法への対応

2023年10月からインボイス制度が始まります。販売管理システムでは変更点が多く開始までに対応できるかどうかと言う状況です。販売管理システムは各社まちまちで各システム開発会社にカスタマイズを依頼することになります。

この食肉卸向け販売管理システム導入企業ではインボイス制度対応以外にも電子帳票保存法対応機能が追加されています。中には電子請求、運送会社オンライン、冷蔵庫オンライン機能を搭載した企業もあり各社どこまで開発するかとなるのですが食肉業界全体ではなるべく必要最低限の対応で済まそうと言うのが現状です。

インボイス制度

T番号の管理、納品書、請求書、買掛残高、売掛残高、勘定系への連携など国税のインボイス制度のFAQを見ながら要件を整理していくのですがそのFAQが更新されたりするので柔軟に対応しています。この販売管理システム上の取引先で免税事業者はほとんどありませんが割り戻し、返品時の請求書の処理など細かくFAQに記載されていますので対応せざるを得ません。一方現場ではまれに内容を理解していない取引先から自社の解釈で変更を要請される文書も送付されてきます。そこで各社顧問税理士や会計事務所に確認して要件定義を行っています。

税務調査に立ち会ったことがありますが新しい制度はパソコン上で全てが検索できる状況を目指しているようです。帳簿類は7年、帳票類は5年保存は取引単価の低い食品業界では膨大な量になります、電子帳票保存法機能を搭載するコストと天秤にかけるのですがその会社の経営状況によりどこまで対応するかという状況です。