牛トレーサビリティ法に対応したシステム化

国産牛を扱っている会社からシステム化についてよく相談を受けます。個体識別番号管理はどうされていますかと言う質問には「自社のトレーサビリティシステムで管理しています」との返事、内容を調べると加工工場では製造ロットまたは加工ロット番号、自社冷蔵庫では冷蔵庫ロット番号(以下自社ロットという)の仕組みがごっそり抜けているケースが多いようです。そのような会社の特徴は個体識別番号のトレースは手作業になり時間がかかり正確でない、加工管理ができていない場合が大半です。最近大手量販店ではを個体識別番号管理システムを導入しているかどうか取引継続の条件になっています。町のお肉屋さんであれば問題無いのですがそれなりの規模の会社になると自社ロット管理が必要になります。

牛肉の管理は同じ品名で原産地、賞味期限、規格、単価、個体識別番号などが違うので管理手法として原価法による個別法にて管理するのが標準になっています。つまり自社ロットを仕入れ時に採番して原産地、賞味期限、規格、単価、個体識別番号などを紐付けして管理します。牛トレーサビリティ法の中にも「ロット番号」記載について触れています。

自社冷蔵庫、自社工場、自社配送などを展開する会社では共通の自社ロットがシステム化の重要なキーになります。従って牛トレーサビリティ法に対応したシステム化とは自社ロット管理が必須なります。

ここ数年食品業界の生産管理では2次元バーコードから情報量の多い3次元バーコードへシフトしています。すべての管理の基本は自社ロット(原価法による個別法)ですので会社の規模がそれなりになりましたら導入をお勧めします。

自社ロット、製造ロット、冷蔵庫ロット管理を搭載したシステムは設計が複雑になりますのでそれなりの価格になり、初めての導入には時間がかかりますので業界標準の運用に精通したサポートが重要になります。

つなぎ販売

食肉卸ではつなぎ商売(つなぎ販売)、右左(みぎひだり)商売と言われる販売方法があります。他社の在庫を得意先に販売する行為です。この方法は他社の在庫を自社の在庫のように扱うので在庫リスクが無い商売です。他社から直接得意先へ納品する手配をします。計上では他社からの仕入れ、配送手配、売上などになります。このような商売をするには日頃の情報収集力が必要で業界内での信用、信頼が欠かせません。

この販売管理システムにはこれらの社内処理を一括で可能にするための機能が搭載されています。この商売では品名、ケース数、重量は同じですので仕入、売上と通常は二回入力が必要ですが一度の入力で済むように設計されています。キリング、工場番号、原料原産地情報、個体識別番号情報、数量、重量、仕入単価、販売単価の入力と納品書、出庫依頼書、配送依頼書の印刷が可能です。すぐに手配が出来るように最低限の情報で出庫依頼書、配送依頼書は出力できるようになっています。

この販売管理システム多くのユーザーの意見を取り入れて改良を重ねています。カスタマイズも承っていますので御社の商売に合わせた販売管理システムの導入ができます。

外部冷蔵庫、運送会社への各種依頼書の発行

出庫依頼や配送依頼をエクセルなどで作成して送付している食肉会社は未だに多いようです。商売が決まったらすぐに出荷手配をしますがこの組み合わせは色々あります。この販売管理システムは外冷、自社冷、自社便(自社の配送便)、外部運送会社への依頼書、仕入先や外冷まで商品を取りに行って指定された納品場所までの配送指示、複数納品場所の指定、外部冷蔵庫への出庫依頼などを印刷または配信(オプション)をします。

食肉卸では外部(自社)冷蔵庫出庫時に確定重量がわかります。入出庫、配送手配は原料の場合はケース数で手配を行い確定重量が届いてから計上、納品書発行をします。この販売管理システムは受注から納品書発行までの一連の処理をわかりやすく共有管理できます。依頼書などが印刷済みかどうかなど細部にわたり現状を見える化していますので全国の営業事務処理を一ヵ所に集約することができます。

仕入先の在庫をそのまま販売するいわゆる「つなぎ商売」では仕入、売上計上を容易に行えます。上記機能には不正防止対策を講じており運用ルールとセットで各監査法人の監査においても適正との評価を受けています。

ロット別在庫管理

食肉卸の在庫管理は社内ロットで管理するのが一般的です。同じ商品名でもブランド、規格、キリング、原産地、賞味期限、個体識別番号、単価などが違いますので仕入時に新しい社内ロットを採番します。出庫時にはロット番号を指定して売上計上します。一つの商品名で検索すると画面には会社規模、商品にもよりますが数百行になることもあります。そのため操作性の良い様々な絞り込み条件の搭載が必須になります。

在庫管理では社内ロットの他に棚卸し管理用として冷蔵庫別、部署別、担当者別の情報のほかに滞留在庫情報、賞味期限管理、個体識別番号情報が瞬時に見える事が必要です。また仕入れ漏れ、売上漏れ、数量違い、不正などが棚卸しによって発見できるようなシステムで無ければいけません。

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食肉卸会社の社内売買

社内売買をご存知でしょうか? 大きな会社ではよくある処理です。その目的は部門ごとの業績評価です。例えば支店、製造、販売などを部門とするとそれぞれがどれだけ利益を上げているかを見える化します。特に工場などの製造部門と販売部門がある場合は必須の処理です。会計上では未実現の利益の把握、運用面では在庫管理(期末在庫)がしっかりできていないと部門管理に対応した販売管理システムを導入しても意味がありません。食肉卸では毎日多くの商品が入出庫されますのでより運用面で計上基準などの社内ルールよって帰属(実現主義の運用を想定しています)を明確にする必要があります。 “食肉卸会社の社内売買” の続きを読む

販売管理の専門部署

軽減税率が議論されています。システム屋に取ってはシステム変更需要が発生してうれしいかも知れませんが、ユーザーに取っては納税時や伝票の管理においては複雑になり海外の様にインボイスが必要になりシステム変更、運用人件費などのコストの増加になります。低所得者対策と言われていますが私にはそうは思えません。また販売管理システムや生産管理システムでの処理はより複雑になります。日本のように原料を輸入して加工品を輸出するような国では事務処理は簡素化する方が良いように思います。

さて販売管理システムと言う言葉はよく聞きますが、販売管理課、Sales Management Team、というような専門の部署を設置している会社は少なく、また営業部門、管理部門、監査部門に属したり各社まちまちです。業務課、販売促進課、営業管理として設置されている会社もあります。販売管理システムは販売管理規程の定める仕入規定、売上規定、在庫管理規定、与信管理規定、計上、出荷に関する各種規定の管理ツールとしての機能を要求されます。

IPO監査に置いては証券会社、監査法人にとって便利な部署になります。特にカットオフ監査では重要な働きをします。販売管理課やSMTの責任者は商法を勉強した方がいいでしょう。最低でも基本原則は理解する必要があります。在庫に関しては食肉業界では個別法、低価法の適用が多いようです。

個体識別番号の管理

国産牛には牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法と言う長い名前の法律によって個体識別番号から生産者情報が特定できるように生産者、流通業者、小売業者に記録などを義務づけています。つまり流通段階では入出庫記録が全て記載された個体識別番号台帳が必要になります。小売店へ行くまでには数社の業者を経由しますのが仕入れた段階でロットごとに情報を記載します。一方で偽装防止のために農水省や消費者庁のGメンが抜き打ちのDNA検査をしています。

個体識別番号管理

 

 

 

 

 

特に原料を投入して加工工場にカットや包装を依頼する場合には販売であっても委託加工同様に管理が必要です。この販売管理システムはさまざまな機関の検査を受けた個体識別番号管理の標準機能を搭載しています。顧客からの問い合わせ、得意先への個体識別番号明細の発行、原料投入などのトレースが瞬時にできるように設計されています。

チェックデジット機能  ロック機能各種 (ユーザーが勝手に番号変更できない  二重登録チェック他)

セットばらし

輸入原料(例えば牛肉)の場合、商社や卸会社ではたいていは直接輸入や他の商社経由で仕入れることになります。例えばオーストラリアからではチルドビーフフルセットは12部位(これ以外もあります)に分かれます。国内の食肉卸ではセットで輸入元から仕入れて牛肉を部位ごとに単価を決めて「セットばらし」(システムでは振替)を行います。フルセットの商品原価を部位ごとの商品原価に振替えます。

 
IPO監査では、「部位ごとの評価の客観性、評価変更の社内ルール、振替前後の評価額の一致」などを指摘され販売管理システムの変更を行いました。従来のエクセルでの管理は監査上ダメだそうで、セットばらし機能と連携した部位ごとの売上(予約売上)、在庫(つなぎ状況)の管理機能を要求されました。

重量精算とは

食肉業界では輸入原料を売買するときに「概算」と言われる取引をします。文字通りアバウトな重量で売買をします。輸入原料の場合、実際に重量を量ってみると誤差あります。例えば1コンテナでは18,400kgでケース数は840c/sぐらいになります。1ケース当たり500g違っても最大420kgの誤差が発生します。 ここまで説明すればおわかりと思いますが、概算で商売して後ほど(出切ってから)正確な重量がわかってから精算すること重量精算と呼んでいます。

重量精算

正確な重量を量るタイミングは冷蔵庫から出庫される時にケースごとに行われます。このとき冷蔵庫業者は荷主に対して確定重量を報告します。荷主はこの重量で売り先に請求を行います。上記のことから840c/sすべて冷蔵庫から出庫(出切るとも言います)して概算18,400kgに対する確定重量が算出されます。出切るまで数ヶ月~2年ほどかかる時もあり概算取引は記録に残しておく必要があります。 具体的には確定重量が18,700kgでしたら仕入れ先に対して300kg分の請求依頼を行い「重量精算」を行います。販売管理システム内部ではこのときに概算から確定になります。また実際の取引は少し複雑になって名義変更、部分出庫などが発生します。このシステムでは外部冷蔵庫(外冷)に対して送付する出切確認依頼書、仕入、売上先様に送付する出切重量精算依頼書を発行できます。

販売管理システムと消費税

消費税アップの法案が通りました。変更時期はまだ先のようですがシステム管理者にとってはどのように消費税が変更されるか心配な所です。低減税率になりますと原料と包材で税額が違いますので大がかりなシステム変更が必要になります。現在のGSC販売管理システムには一律の税率機能はありますが、税率変更は十数年使用していない機能ですので「動作検証」と場合によってはプログラムの一部変更が必要になります。動作検証は多岐に及びますのでチームで対応して1週間ほどかかります。自社で生産管理や販売管理システムを構築している会社では早めにシステム会社に相談することをお勧めします。

販売管理システム 取引先マスタ

システム会社にとっては忙しくなっていいのですが、期限までに変更しないと業務に支障が出ますので消費税の変更が決定したらすぐにシステム管理者は保守契約先のシステム会社(サプライヤ)と打ち合わせして要員を押さえるようにします。日頃から保守契約を結んでいるところでは優先対応してくれますが、契約の無いところでは後回しになります。 税率切り替え当日はシステム管理者は自動化しても徹夜作業になりそうです。