セットばらし

輸入原料(例えば牛肉)の場合、商社や卸会社ではたいていは直接輸入や他の商社経由で仕入れることになります。例えばオーストラリアからではチルドビーフフルセットは12部位(これ以外もあります)に分かれます。国内の食肉卸ではセットで輸入元から仕入れて牛肉を部位ごとに単価を決めて「セットばらし」(システムでは振替)を行います。フルセットの商品原価を部位ごとの商品原価に振替えます。

 
IPO監査では、「部位ごとの評価の客観性、評価変更の社内ルール、振替前後の評価額の一致」などを指摘され販売管理システムの変更を行いました。従来のエクセルでの管理は監査上ダメだそうで、セットばらし機能と連携した部位ごとの売上(予約売上)、在庫(つなぎ状況)の管理機能を要求されました。

重量精算とは

食肉業界では輸入原料を売買するときに「概算」と言われる取引をします。文字通りアバウトな重量で売買をします。輸入原料の場合、実際に重量を量ってみると誤差あります。例えば1コンテナでは18,400kgでケース数は840c/sぐらいになります。1ケース当たり500g違っても最大420kgの誤差が発生します。 ここまで説明すればおわかりと思いますが、概算で商売して後ほど(出切ってから)正確な重量がわかってから精算すること重量精算または出切精算と呼んでいます。

重量精算

正確な重量を量るタイミングは冷蔵庫から出庫される時にケースごとに行われます。このとき冷蔵庫業者は荷主に対して確定重量を報告します。荷主はこの重量で売り先に請求を行います。上記のことから840c/sすべて冷蔵庫から出庫(出切るとも言います)して概算18,400kgに対する確定重量が算出されます。出切るまで数ヶ月~2年ほどかかる時もあり概算取引は記録に残しておく必要があります。 具体的には確定重量が18,700kgでしたら仕入れ先に対して300kg分の請求依頼を行い「重量精算」を行います。販売管理システム内部ではこのときに概算から確定になります。また実際の取引は少し複雑になって名義変更、部分出庫などが発生します。このシステムでは瞬時に検索し外部冷蔵庫(外冷)に対して送付する出切確認依頼書、仕入、売上先様に送付する出切重量精算依頼書を発行できます。この精算は取引条件に関係なく直近の決済日にて精算します。

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重量精算処理の操作マニュアルはこちら

販売管理システムと消費税

消費税アップの法案が通りました。変更時期はまだ先のようですがシステム管理者にとってはどのように消費税が変更されるか心配な所です。低減税率になりますと原料と包材で税額が違いますので大がかりなシステム変更が必要になります。現在のGSC販売管理システムには一律の税率機能はありますが、税率変更は十数年使用していない機能ですので「動作検証」と場合によってはプログラムの一部変更が必要になります。動作検証は多岐に及びますのでチームで対応して1週間ほどかかります。自社で生産管理や販売管理システムを構築している会社では早めにシステム会社に相談することをお勧めします。

販売管理システム 取引先マスタ

システム会社にとっては忙しくなっていいのですが、期限までに変更しないと業務に支障が出ますので消費税の変更が決定したらすぐにシステム管理者は保守契約先のシステム会社(サプライヤ)と打ち合わせして要員を押さえるようにします。日頃から保守契約を結んでいるところでは優先対応してくれますが、契約の無いところでは後回しになります。 税率切り替え当日はシステム管理者は自動化しても徹夜作業になりそうです。

食肉卸向け販売管理システムの移り変わり1

食肉卸向け販売管理システムは数百カ所の機能追加や変更を重ねて現在のバージョンになっています。当初は使い勝手や現場に合わせる事が多かったのですが、上場準備に入ると監査法人から色々指摘を受けるようになり使い勝手と監査法人からの要求との板挟みになりました。基本的な処理は一貫して変更はありませんが、二重チェックや誤謬防止機能、操作ログ、不正処理防止機能、ユーザー別アクセス権など多くの機能が追加されました。せっかく追加した機能ですが、全て運用するには人手がかかり現在監査と無縁の会社ではそれらの機能は使っていません。中でも「循環取引チェック機能」はコストがかかった割に全く使っていません。

販売管理システムの基本的な考えは実現主義に基づく運用としています。そのためには販売管理システムへの計上ルールを決めて頂く必要があります。いわゆる計上基準と呼ばれるものです。どのタイミングで計上するかが重要になります。それ以外の計上方法もシステム的に可能です。一度計上ルールを決めたら会計原則に従って継続することが重要です。

GSCの販売管理システム

食肉卸会社の方から「販売管理システムの導入をしたいのだがいいソフトはないですか?」と相談を受けました。早速ヒヤリングをさせて頂きました。ヒヤリングを進めて行きますと計上についてのルールがかなり曖昧で、在庫の管理もできていない状態でした。このような状態ではいくら新しいシステムを導入しても運用が追いつきません。顧客には「システムと運用が一体になって初めて導入効果が出ます」と説明します。色々ありますが例えば棚卸しから仕入、売上漏れや不正を発見できるような運用が理想です。また顧客は「システム導入で楽になる」と思っています。運用がしっかりできている会社ではその通りですが、今回の様なケースでは運用から変えて頂くことが必要ですので現場との摩擦が予想されます。その上今まで以上に労力が必要になります。今まで管理していなかった事を新たに管理するので当然なのですが顧客の中には「何のためのシステムや」と言われる方もおられます。顧客からすると「お金を払って面倒になる」と思うのでしょう。

問い合わせ画面

GSCの食肉卸向け販売管理システムは在庫管理、与信管理、入出金予定管理などトータル的に管理するシステムです。運用にもよりますがこの販売管理システムは数々の監査法人より「適正」との評価を受けています。ここで「運用にもよる」というのは上場審査などでは二重チェックや誤謬防止の機能や運用が求められます。実際にシステムを使う側では「そこまで必要ない」というユーザーさんもいらっしゃいます。そこで会社にあった運用が出来るようにヒヤリングを行い提案をします。またシステムのカスタマイズも可能です。