インボイス制度、電子帳票保存法への対応

2023年10月からインボイス制度が始まります。販売管理システムでは変更点が多く開始までに対応できるかどうかと言う状況です。販売管理システムは各社まちまちで各システム開発会社にカスタマイズを依頼することになります。

この食肉卸向け販売管理システム導入企業ではインボイス制度対応以外にも電子帳票保存法対応機能が追加されています。中には電子請求、運送会社オンライン、冷蔵庫オンライン機能を搭載した企業もあり各社どこまで開発するかとなるのですが食肉業界全体ではなるべく必要最低限の対応で済まそうと言うのが現状です。

インボイス制度

T番号の管理、納品書、請求書、買掛残高、売掛残高、勘定系への連携など国税のインボイス制度のFAQを見ながら要件を整理していくのですがそのFAQが更新されたりするので柔軟に対応しています。この販売管理システム上の取引先で免税事業者はほとんどありませんが割り戻し、返品時の請求書の処理など細かくFAQに記載されていますので対応せざるを得ません。一方現場ではまれに内容を理解していない取引先から自社の解釈で変更を要請される文書も送付されてきます。そこで各社顧問税理士や会計事務所に確認して要件定義を行っています。

税務調査に立ち会ったことがありますが新しい制度はパソコン上で全てが検索できる状況を目指しているようです。帳簿類は7年、帳票類は5年保存は取引単価の低い食品業界では膨大な量になります、電子帳票保存法機能を搭載するコストと天秤にかけるのですがその会社の経営状況によりどこまで対応するかという状況です。

コロナウイルス感染拡大の影響 2022年8月

販売管理システム導入先のスケジュールを見ると「テレワーク」の文字が増えています。今までテレワークしていない方も在宅勤務をされているようです。以前はテレワーク需要が減っていたので会社支給のノートパソコンが積んであったのですが再び出番がきたようです。

※入力項目が多いシステム

感染拡大の影響によってコロナウイルス感染者管理システムのHER-SYにて一時利用出来なくなリました。これだけ感染者が増えると情報入力作業だけでも病院、保健所、自治体に負荷がかかるります。マイナンバーカードなどの利用促進で公的情報をキーボード入力するのは避け簡素化をして欲しいものです。日本では手入力に慣れている (仕事している感がある) ことが逆に普及の妨げの一部になっているかも知れません。

海外では手入力はなるべく避けてバーコードなどをスキャンする方法が主流です。様々な言語や人種がいるので間違い防止のために手入力避ける傾向があります。さて日本のデジタル化はどうなっていくのでしょうか。個人情報管理などで様々な意見があるのはわかりますがセキュリティと切り離して考えられないものでしょうか。

牛肉の値上げ

2022年2月現在牛肉の価格はオーストラリアの干ばつによる牛の減少や中国での需要増加、為替の影響や原油高による輸送コスト、運送会社の働き方改革など様々な要因で高騰しています。一昔前では考えられないくらいの価格になっています。

その上に原油高で運送会社各社は運賃改定、冷蔵庫各社は入出庫時間の短縮など食肉卸会社にとってはきびしい時期になっています。今までは無理を言って即時出庫、配送便手配が当日夕方まで可能でしたが今では15時までに完了する事が要求されています。運送会社では人材の確保が難しくなり働き方改革で定着率を向上させるように新たなシステムやルールで取引を行うようになりました。

そのような状況ですので少しでも応援できればと思い、冷蔵庫、運送会社への依頼書類にQRコード印字するモジュールを開発しています。読み込み側に合わせて会社別にカスマイズできるように印字することで入力の手間がすこしは軽減できる仕組みです。入力の手間をスキャンするのみに変更するだけで入力ミスや時間短縮が可能になります。オンラインの一歩手前ですがイニシャルコストが低減されます。

システムの操作ログ

今でこそ少なくなりましたが食肉業界では産地偽装、賞味期限改ざん、社内での横領などさまざまな不正行為がありました。最近では退職した社員から時間外賃金の請求訴訟など様々な問題が発生しています。この業界のシステム監査では産地偽装、賞味期限改ざんができないシステムかどうか調査されます、上場企業に中には「ワンライティング」で一度入力したら変更できない仕様になっている会社もあります。

不正防止対策をすればするほど可用性が損なわれ「使いにくいシステム」と言われますので会社、規模によって調整が必要になります。このシステムにはメニューごとにアクセス権の設定、パスワード使用履歴、システム操作履歴を搭載していますので誰がいつ何をしたのかを確認することができます、またこのデータは変更削除は一切できないようになっていますので証拠として裁判などに提出可能です。この機能は使用している会社の上場審査時に監査法人から指摘され実装しました、標準機能として実装しています。確認できるのは初期値で管理者のみです。セキュリティでもそうですが可用性と制御・制限との調整が重要になります。

最近のシステム開発手法

最近のシステム開発ではスピードが重視されるようになってきました、例えばコロナワクチン接種予約システムでは短期間で構築する必要がありました。この仕組みの目的は適正に予約ができれば接種券は現地で確認できるので予約のみに特化した自衛隊などのシステムに何も問題は無いと思います。一部のマスコミが批判していましたが全国の市町村個人データなどとの連携システムはセキュリティ、開発の時間的問題で非現実的です。もしそのようなシステム開発をしていれば未だにワクチン接種は出来ていないかも知れませんし情報漏洩リスクを抱えることにもなります。

システムは完璧であるべきですが利用環境等の変化スピードに対応出来なければ意味がありません。一昔前までは仕様書が絶対で開発側と運用側とで問題発生時にはお互いに非難しあっていました。ここ数年スピードが重要視されて「仕様の変更は当たり前」「運用方法の変更は当たり前」を前提に開発側と運用側とがタッグを組んで開発するようになりました。

アジャイル開発、DevOps開発と呼ばれる開発手法です、コロナワクチン接種予約システムではアジャイル開発、DevOps開発によって短時間で開発されています、これらの定義については色々な方面から提言されていますがあまりこだわらない方が良いかも知れません。スピーディ、使いやすい、費用が安い開発をしないと生き残れない時代になっています。未だに大手のシステム開発会社には昔のタイプの開発者が多い様です。