Windows 11でSMB1.0を有効にする手順
2025年9月のWindows Update後に共有フォルダやプリンターにアクセスできないという現象は、セキュリティ強化を目的としたMicrosoftの仕様変更が主な原因です。この変更は、特に古いネットワーク機器や設定で問題を引き起こすことがあります。この手順はWindows Updateの適用後などにNASなどに共有ができなくなるケースで緊急処置として使用します、これで解決しない場合は適用したWindows Updateを削除して修正版が公開されるまで待ちます。
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発生原因の詳細
2023年9月にリリースされた更新プログラム(Windows 11のKB5030217やKB5030219など)では、主に以下の点が変更されました。
- 安全でないゲストログオンの無効化:
- 以前のバージョンのWindowsでは、ユーザー名やパスワードなしで共有フォルダにアクセスできる「ゲストログオン」が許可されていました。
- しかし、これはセキュリティ上のリスクが高いため、アップデートによりデフォルトで無効になりました。
- この変更により、古いNASや特定のネットワーク設定を使用している場合、共有フォルダへのアクセスが拒否されることがあります。
- SMBプロトコルのセキュリティ強化:
- SMBはWindowsのファイル共有に使われるプロトコルですが、古いバージョン(SMB1.0)には複数の脆弱性が存在します。
- アップデートにより、安全性の低い認証方式や接続がブロックされるようになり、古い機器との通信が途絶えることがあります。
解決策
この問題に対処するには、主に以下の2つの方法があります。
1. 接続先(共有元)の設定を変更する(推奨)
最も安全な解決策は、アクセスする側のWindows PCではなく、共有している側(NASやプリンター)の設定を変更することです。
- 共有フォルダにパスワードを設定する: 共有フォルダにユーザーアカウントとパスワードを設定し、Windows PCからアクセスする際にその認証情報を入力します。
- 認証情報をWindowsに記憶させる: 「資格情報マネージャー」に共有フォルダのIPアドレス、ユーザー名、パスワードを登録することで、毎回入力する手間を省けます。
2. Windows PC側の設定を一時的に変更する(非推奨)
共有元機器の設定変更が困難な場合、Windows側のセキュリティ設定を一時的に緩和する方法です。
- グループポリシーを変更する:
- 「ファイル名を指定して実行」で
gpedit.msc
と入力し、「ローカル グループ ポリシー エディター」を開きます。 - 「コンピューターの構成」>「管理用テンプレート」>「ネットワーク」>「Lanman ワークステーション」の順に移動します。
- 「安全でないゲストログオンを有効にする」をダブルクリックし、「有効」に設定します。
- これはあくまで一時的な回避策であり、セキュリティリスクを高めるため、恒久的な解決策としては推奨されません。
- 「ファイル名を指定して実行」で
- SMB1.0を有効にする:
- 以前の手順書で説明したように、「Windowsの機能の有効化または無効化」からSMB1.0を有効にする方法です。
- これもセキュリティリスクが非常に高いため、共有作業が終わり次第、必ず無効に戻してください。
これらの現象は、Windows Updateがセキュリティを向上させるために行われる自然な流れの一部です。可能であれば、最新のセキュリティ要件に対応した機器に切り替えることを検討するのが最善策です。

Windows 11 ローカルアカウント 設定ガイド
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Windows 11 ローカルアカウント 設定ガイド
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